【イベントレポートpt.2】ユニコーン企業の若手社員が登壇!新素材で気候危機の解決はできる⁉︎(Part. 2)
株式会社TBMとSpiber株式会社の若手社員に仕事を通じた気候危機解決への貢献について伺いました![後編]
8月4日に、2回目となる【キャリア座談会】を開催いたしました!本イベントでは「気候危機の解決に関わる仕事がしたい」「仕事を通じてサステナビリティに貢献したい」という思いを抱える就活生、および社会人に向けて、実際に気候危機解決に貢献する企業に勤める若手社員に、働くリアルや就活の裏話などをお話いただきました。
植物由来のバイオマスを主原料に微生物発酵によって生産されるタンパク質Brewed Protein™素材を開発する『Spiber株式会社』と、今回はプラスチック・紙に代わる石灰石を原料とした新素材「LIMEX」の開発を行う『株式会社TBM』の社員のお二人にお越しいただきました!
前回の記事、「イベントレポートpt.1」では2社の具体的な事業内容やサステナビリティへの貢献方法についてお伺いしました!以下の記事よりご覧ください!
今回の記事はイベントレポートの後編となります✨
ーでは、続いてお二人のお仕事内容についてお聞きしたいです。
お二人はどんな業務を担当されているんですか?
Spiber株式会社の奥山翠さん(以下、奥山):私はSpiber初の「LCA report(ライフサイクルアセスメントレポート)」の作成や、生物圏循環というプロジェクトの産業化計画などに携わっています。
株式会社TBMの増田稜さん(以下、増田):私は、TBMに2017年に入社して、最初の3年間は人事で、採用及び採用PRの業務を担当していました。その後、社内異動により直近の2年間は営業を担当しています。
ーお二人が今の企業を選んだ理由はどんなものがありますか?
奥山:主に3つあります。 まずは、環境問題の解決を目指している企業であり、それを裏付ける科学的な技術力があることが大きかったです。
2つ目は「持続可能な健康福祉、幸福への貢献(Contributing to sustainable well being)」というコンセプトのもとに働いていますが、これはビジネスだけではなくて、社員にも同じように適用されていることです。つまり、働き方がすごく柔軟で、仕事以外の人生も大事だと思っている。私も、 会社がすごく個人を尊重してくれていると感じます。 かつ、様々なバックグラウンドをもつ社員がすごく多いので、学歴もあまり関係なく、フラットで働きやすい職場だと思ったので、選びました。
最後の理由は、会社が欲しがっていた人物像と、自分自身が提供できる価値が、マッチしていると感じたからです。自分がこの会社に合ってるかどうかというフィーリングも就活時は大事にしていましたね。
増田:私も3つあげると、 1つはインパクトの大きな社会課題の解決に貢献できる企業だと思ったからです。これから社会課題がより大きく、鮮明になってくる中で、サステナビリティの領域で特に日本の強みを持っているのが製造業・素材領域だと思います。こういった領域でグローバルに挑戦することが、非常に面白いんじゃないかと考えたのが1つ目です。
2つ目が創業期であり、当事者として企業成長に貢献できると考えたこと。トヨタやパナソニックも最初は当然ベンチャー企業でした。そのような日本のリーディングカンパニーの創成期フェーズが今のTBMにも重なりました。創成期の当事者として、自分もその成長に関わっていきたいなという思いが2つ目ですね。
3つ目は入社時の上司が、ビジネスパーソンとしても、1人の人間としても、非常に尊敬できる方だったことです。この人と一緒に働きたいと思ったし、この人みたいなビジネスパーソンになりたいなという思いがあったので、一緒に働くことを決められたと思います。
ー 現在の仕事を通じて気候危機問題に解決している実感はありますか?
奥山:サステナビリティは、生活はもちろん、金融や、政治など、色々な分野が関与してくるからこそ、すごく果てしない分野でもあるんですね。その中で自分の日々の業務はすごく地味だと思うところもあります。請求書処理だったり、エクセルに色々打ち込んだりっていう、そういう業務もほんとに当たり前にあるので。それが貢献している実感に繋がるかっていうと、正直なところあまりないです。
さらに、私たちの素材が、環境に及ぼす悪影響が少ないことは見込めてはいるんですが、まだ確実に立証できてはいないんです。そもそも大量生産に至っていないので、製品の使用が完全に終わるまでのサイクルがまだ半ばなんですね。製造されて、売られて、それを誰かが着て、捨てられる段階までは見えていない。つまり、例えば捨てられた時に、実際に悪影響が少ないのか多いのかっていうのはまだ立証できていないんですね。
なので、それが立証できた上で、そして製品が社会に浸透した上で、初めて貢献できるんじゃないかなと思っているので、業務を通して貢献できるといいなという希望はもちろん持ちながら働いてはいますが、貢献を実感するのは、まだちょっと先っていう風に考えてます。
ー具体的な目標数値はあるんですか?
奥山:そうですね。CO2排出量ネットゼロとかカーボンネガティブをいつまでに達成しなければいけないという社内の目標はすでに立っています。それに向けて「LCA(ライフサイクルアセスメント)」をしながら目標にどうにか間に合わせようという動きは常にあります。
ー増田さんはいかがですか?
増田:気候危機の解決に貢献している実感がすごくある仕事です。営業の立場として、「LIMEX」や、再生材料を50パーセント以上含んだ素材「CirculeX(サーキュレックス)」を顧客へ提案し、採用に至った時に、微々たるものかもしれないですが、社会が少し良い方向に向かっていることを、肌で感じることができます。
ー今までのbilityからのヒアリングなどを通じて、就活生の気になるポイントとしては、共に働く人の環境問題への意識の高さが上がりました。やはり同じ考えをもった人たちと働きたいという思いが強いようです。お二人の会社・部署はどんな感じですか?
奥山:入社時の面接などでは、Spiberの理念にどれだけ共感して、理解を示しているかとか、それに対してどういう具体的な貢献をしたいと考えているかというような質問があります。そこで会社側の求めているモチベーションの高さと、実際にその面接を受ける人たちのすり合わせができているので、社員は総じてすごく高いなと感じてます。
増田:基本的には高いと思ってます。会社としても「サステナビリティー革命を起こすぞ」という対外的なメッセージを出しているので、 この領域に対して、関心が高い人が比較的多いことは事実だと思います。年齢層によって、モチベーションの源泉は変わると思います。例えば、お子さんがいる社員のモチベーションとしては、自分の子ども世代にどんな社会を残せるかとか、気候危機をいかに鈍化させることができるか、を考えて入社をする人が多いです。皆さんのようなZ世代は、気候危機を考えることが当たり前になっている人たちも多いかなと思います。ただ、社員に共通していることは環境性と経済性を両立させる目線を忘れないことだと思います。ちょうど1、2年前から我々も新卒採用を始めてますが、この領域のビジネスとしての可能性に惹かれて入社しているメンバーが多いです。また、一方で、新卒の社員たちがプロジェクトリーダーとなって、TBMの社内で使う資材を環境配慮型のものに変えることを牽引していたりもします。
ー2社とも社員も総じて意識が高いんですね👀
bilityの一言
後編も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。私自身就活生として、イベントでは学びになることが多く、SpiberさんとTBMさんのお話を聞いて目指したいと思う企業の基準が一気に上がった気がします。事業だけでなく魅力的な社内のカルチャーや、社員の意識が高い企業を目指したいなという思いがより一層強くなりました。日本の中にも、こんなに積極的に気候危機緩和に対して実際にインパクトを残している会社があると知ることができ、今後の希望にも繋がりました。2社の勢いを感じ、アパレル製品やプラスチックや紙製品が着々とBrewed Protein™素材や「LIME」を使用する日も遠くない気がしてます。
お二人とも率直な意見をシェアしてくれただけでなく、私や参加者の疑問にも丁寧に答えていただき、1時間半があっという間に過ぎました。参加者には就活生以外に社会人の方もいらっしゃって、有意義な時間を過ごせたというアンケートへのコメントや、社会人4年以上の30代の参加者の方は「尊敬しました」という言葉と一緒に「サステナビリティの領域は本当に関心を持っている人しか知ろうとしませんし、実行しようとしていないように感じるので30歳以上の人も環境問題への意識をより高めていかないといけないなと感じました。」とご感想をいただきました。多くの企業の中核を担う30代40代の方の意識が高まるとさらに未来の変化に繋がると思います。bilityは今後も就活生、そして社会人や企業に向けたイベントの開催を考えておりますので、これからもよろしくお願いします。
次回予告
11月上旬にも同シリーズのイベントを開催予定!就活生はもちろん、就活生でなくても、サステナブルな企業で働く一社員のお話を聞いてみたい方はぜひ bilityのTwitterのフォローやニュースレターの登録をお願いします!今後のイベント情報がご覧いただけます。直接bilityにお問い合わせいただく場合は newsletter@bility.jp にメール、もしくはTwitterのDMよりお願い致します。