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📣Z世代が『SDGsに関する調査』を読み解く。「SDGsラベリング止まりの会社はむしろ悪印象」の声

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📣Z世代が『SDGsに関する調査』を読み解く。「SDGsラベリング止まりの会社はむしろ悪印象」の声

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Jun 19, 2022
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📣Z世代が『SDGsに関する調査』を読み解く。「SDGsラベリング止まりの会社はむしろ悪印象」の声

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Z世代は「SDGsへの興味関心が高い」「社会問題の意識が高い」傾向にあると言われています。授業やSNSを通じて社会問題に触れる機会が増えたため、他世代と比較すると確かに高いのかもしれません。しかし、現状として「Z世代のSDGsへの興味関心」がマーケティング戦略のひとつとして出回っており、実際の声が企業の大規模な統計に埋もれているのではないかと感じます。この記事では、第5回「SDGsに関する生活者調査」に対して、bilityの運営メンバーであるZ世代の大学生・大学院生3人がホンネをお届けします。

■どんな調査?

株式会社電通は、全国10~70代の男女計1,400人を対象に、第5回「SDGsに関する生活者調査」を実施しました。調査項目は、SDGsの認知度、実践しているアクション、実践する企業への印象など、多岐にわたる消費者のデータを表しています。

■どんなメンバー?

Mai:関東の大学4年生。大学時代から環境ボランティアに取り組む。

Ayusa:東北の大学4年生。デンマーク留学をきっかけに気候変動に興味を持ち、大学でも勉強中。

Elena:オランダの大学院1年生。サステイナブルビジネスについて学ぶ。


🗣調査の冒頭には、SDGsという言葉から連想される具体的なアクションについて記載がありましたが、ちょっと引っかかった模様…


①SDGsに関して実践している具体的なアクションは?

SDGs認知率は全体の86.0%。その中でもSDGsの認知者に対し、SDGsへの実践意欲も高い層は36.9%となった(複数回答あり)。実践意欲の高い層の人が、既に実践しているアクションでは、「男女の不平等や差別をなくすために行動したり、意見を言う(32.3%)」「植物性食品の消費(18.1%)」「市民活動(地域貢献、ボランティア、NPO活動など)への参加(19.3%)」などが相対的に高い。

Mai:2人はこのデータを見てどう感じた?

Elena:全てのアクションの数値が50%以下なのが気になったかな。実践しようと思っていても、実際のアクションには結びついていない傾向があるね。これは私も共感できるかも。例えば、プラントベースの消費は金銭的なハードルが高くて、日々取り組んでても課題を解決している実感が湧かなかったし。

Mai:私は「なるべく不用品を捨てない」の項目が一番高い認知度があって、メルカリが持つ影響力を再認識した!ビジネスと社会問題がつながっていると、やっぱり浸透しやすいね。

Ayusa:社会問題を解決すると聞いた時に思い浮かぶアクションって本当に限られているし、本来はもっと生活感の滲む地味な行動が多い気がする。でも、それらの生活の中でできるアクションは、わかりやすい「見返り」がないから継続性が低いのは課題だよね。私の場合は生活の中でのアクションを心から楽しむか、社会課題解決に直結している仕事をするか、という二択になりそうな気がする!

Elena:あとは、質問項目をもっと増やして欲しいな。「そもそもモノを買わないようにしているか?」があったらどうだろう?例えば、最近インスタで「100均で絶対買ってよかったモノリスト」を見たけど、立ち止まって考えてみると本当に必要なものが1つもなくて(笑)。実際に購入する前に必要なのか吟味するのは大事だと思った。使わなかったものを売っても、最終的な消費量は減らせていないから、なんでもかんでも購入しないことは大事じゃないかな。

Ayusa:そうだね、他にも「ファストファッションを買ってないか?」これも項目の1つとして欲しいな。私は「買い物は投票」っていう言葉を大事にしているんだけど、毎回「購入先を慎重に選ぶ」というのもアクションの一つだと思う。

Mai:他にももっと項目増やした方が良さそうだよね。自分たちだったらどんな選択肢のアンケートを作るのか考えてみよう!

✔️選択肢候補

  • 食生活を変える(ヴィーガン, Climavores, フレキシタリアン etc…)

  • なるべく不要なものを買わない

  • 購入先を選ぶ

  • 不用品を売る

  • コンポスト

  • エネルギーの見直し

  • よりCO2排出量の少ない交通機関を選ぶ

  • 政府に意見文を送る(メールや電話でも)

  • 意見をSNSで発信する

  • 投票する

  • 寄付をする

  • 会社のサステナビリティで勤め先を選ぶ

  • ボランティアに参加する

  • 情報収拾をする

  • グリーンな企業に投資する


🗣次は企業で働く社会人が、自社のSDGs関連の取り組みに対してのどのように感じているのか話します!


②SDGsラベリング止まりの会社はむしろ悪印象の声

就業者のうち、自社のSDGsに関する取り組みを認知している人は33.6%。取り組みを認知している社員は、「取り組んでいることを世の中や人に伝えたいと思った(19.1%)」「将来性を感じた(16.3%)」などポジティブな感想の割合が61.8%であった。30代男性では「誇りに感じた(21.7%)」、「働き続けたいと思った(21.1%)」「仕事に対するモチベーションがあがった(20.7%)」などが高かった。

Elena:このデータを最初に見たときに、「取り組んでいることを世の中や人に伝えたいと思った」が一番多いことに驚いた!これは自社が相当いい取り組みをしている実感があるということなのかな?それとも「伝えたい」ことがメインになってしまっているのかな?

Ayusa:うーん。今の世の中で社会問題に対しての取り組みをしていることはむしろ当たり前だと思う。取り組んでいないと、会社は生き残れないから。自分の会社の将来にワクワクできているのはとってもいいけど、自分の会社は特にクリティカルに考えたいな。どの程度の取り組みだと、2人は自社に希望を感じる?

Elena:自分の会社がサステナビリティを経営方針に組みこんでいるくらい取り組んでたら、モチベーションになるかもしれない。

Mai:わかる。もちろん、ボランティアや植樹のような、経営方針と完全に切り離されている取り組みはもちろん大事なことだと思う。一方で、グリーンウォッシュに近い印象を抱いてしまう部分もあるかな。私も、経営方針に据えられているくらいの会社の方が印象は上がる!

Ayusa:そう考えると、そもそも「自社のSDGsの取り組み」という質問のワードチョイスがあまり良くないのかもしれないね。CSRのように本業の余剰として取り組んでいる会社と、経営方針そのものとして取り組んでいる会社の区別がつかないから。

Elena:植樹とかボランティアも一概に悪いわけじゃないし、会社の時間や労力を割いて取り組むのはすごく素敵だと思う。問題の重要さを把握して取り組んでいるならさらに評価すべき。だからこそ、HP端っこにSDGsのアイコンを貼っているだけだと、問題への認識が甘い会社なのかなと思ってしまう。SDGsも17のゴールがあって幅広い問題があるから、どの問題にどのように取り組んでいるかの具体さがあればもっと信頼できると思う。

Mai:たしかに。あとは、上から3つ目の項目「自社/組織の活動に参加したいと思った」は、自分の会社なのに、外の組織と捉えているような言い方だよね。自分ごとにできてない印象を受けるな。

Ayusa:本当にそう思う。やっぱり、覚悟が感じられるレベルじゃないと魅力は感じないよね。自分自身も「社員」というステークホルダーだからこそ、仕事を通して社会課題を解決する!っていう意識が持てるような会社だといいよね。


🗣SDGsに関する取り組みは、すぐに結果が見えるアクションは多くありません。そのため、モチベーションの維持が課題になることが多いことが再認識できました。だからこそ、生活の大部分を占める「仕事」とサステナビリティへのアクションを融合するのが理想的ではないでしょうか。そしてもし働くのであれば、経営方針の根幹にサステナビリティが取り入れられている会社で働きたいというのが私たちの意見です。

もし、皆さんも今回の記事で何か意見があればTwitterなどで教えてください🙌

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